第6章 蝶
「もういいよ…俺がやるよ…」
バスタオルで足を拭きながら、翔ちゃんを抱え上げた。
「えっ!?ちょっとっ…智くんっ…」
翔ちゃんの身体は冷えに冷えていて、キケンだった。
このままだと風邪ひいちゃう。
無断で一階の相葉ちゃんの部屋に入って、翔ちゃんをベッドに寝かせた。
そのまま服を脱がせた。
翔ちゃんは魂が抜けたように、動けなくなってた。
俺も手早く服を脱いで布団に入って翔ちゃんを抱きしめた。
冷たい。
ぎゅっと抱き寄せて俺の体温を伝える。
歯の根があってなかったから、背中も擦った。
「ごめんね…翔ちゃん…」
「智くん…」
すがるような目で俺を見つめてくる。
唇が紫色になってる。
「大野さん…」
部屋の入り口にニノが立ってた。
「お前もこい」
そういうと頷いた。
「服、脱いで」
言うと、ぱっぱと脱いで、翔ちゃんを挟むようにベッドに入ってきた。
「わ…ほんとに冷たい…」
「バカ…あぶねーからこんなことしてんだろ…なんだと思ってたんだよ…」
「ごめん…」
ニノが翔ちゃんをぎゅうっと抱きしめた。
翔ちゃんの顔が少し緩んだ。
目尻にたまった涙が俺の肩にこぼれ落ちた。