第19章 天は藍よりも青く
俺は立ち上がると、二人の手を引いて台所に入った。
「あれ?どうしたの?」
翔ちゃんと和也が振り返る。
俺は二人のところまで行って、四人をぎゅうっと抱きしめた。
「ちょっ…なにしてんの智!」
和也が苦しそうに身を捩る。
「俺っ…」
どうしよう。
なんて言ったらいいんだろう。
皆、大事。
皆、愛してる。
皆と一緒に生きていきたい。
どう言ったら伝わるんだろう。
「俺、お前らのこと…愛してる…」
ぎゅうぎゅうしてた皆の動きが止まった。
「ずっと…ずっと一緒に居たい…」
「智…」
上手く言えなくて…
もっと本当は言いたいことがあるのに言えなくて。
その代わり涙がどんどん溢れてきて、言葉にならなかった。
「智…わかってるよ?」
和也が俺を抱きしめた。
「あなたの思ってること、皆わかってるよ?」
「そうだよ…智くん…皆、一緒なんだから…」
「リーダーぁ…」
「俺も、一緒だよ…リーダー」
俺の肩に、皆の腕が重なっていく。
皆で俺を抱きしめてくれた。
「好きだよ…皆、好きだよ…」
和也が俺の頭の上で、皆とキスを始めた。