第19章 天は藍よりも青く
智くんへ
この手紙を読んでいるということは、見つけてくれたのですね。
ありがとう。
智くんにとっても、懐かしいものが沢山あったのではないでしょうか。
いい思い出も、悪い思い出もあるものたちだろうと思います。
私は、子供がおりません。
だから智くんを自分の子供のように思っていました。
智くんがデビューした時、せめて自分になにかできないだろうかと、このように年甲斐もなく嵐のものを集めました。
あの時はあんなに頼りないグループだったのに、今では押しも押されぬ大スターになりましたね。
本当に、本当に嬉しく思っています。
ここ十年は、コンサートに行くことすら、難しくなりました。
何度か行けなかったコンサートもあり、それがとても残念でした。
だけど、それは嵐がスターになった証拠。
ファンとして残念だけど、仕方のないことです。
智くん。
ここにあるもの、全てどうするかは貴方にお任せします。
ただ、これをみて初心に返ってまた頑張って欲しい。
そう思って全て残していきます。
智くん、ありがとう。
淋しかった私の人生の最後に、華やかなひとときを与えてくれました。
嵐がどんどん成長していくのを、見守っていることが、私の喜びでした。
私の生きがいでした。
本当にありがとうございました。
最後の最後で、年寄りの我儘に付きあわせてしまって、本当にごめんなさい。
佐穂