第19章 天は藍よりも青く
なんだか本気でばあちゃんちに遊びに来ているような感覚に陥った。
いとこたちが傍でゲームをして遊んでる。
親たちはそれを見守りながら、昔話に花を咲かせている。
そんな親戚の集まりを思い出してたら、いつの間にか眠ってて。
起きたら話の最中みたいだった。
「あ…ごめん…」
起き上がったら、みんな俺の顔をおしぼりで拭いてくれた。
よだれ…出てた?
「でね。この紙をこの青図のここに当ててみるんでさ…」
どうやら家の図面の上に便箋を、角度を変えて置いている。
「この印の重なる場所…」
そこは一階の翔ちゃんの書斎にしている部屋の上。
「ええっ…マジで?」
「ええ…たあしか…この部屋にゃ、地下収納があったはずなんですよ…」
大角さんが記憶をたぐり寄せる。
「もしまた戦争があったらいけないからってんで作ったんでしょう。そこに家財道具を投げ入れるんでさ」
家が燃えそうになった時に、大事なものを放り込んでおく収納庫だそうだ。
そんな知恵があるんだ…凄いな…
「火事の多かった江戸の頃からの知恵でさぁ…」
大角さんはにやりと笑う。
「今じゃそんな心配は要りませんがねえ…」