• テキストサイズ

天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第19章 天は藍よりも青く


弁護士にもらった書類の中に、ばあちゃんの墓の位置を書いたものがあって、翔ちゃんはそれを持ってきていた。


さすが翔ちゃん。


遠くにお寺さんの屋根が見える。


相当広い霊園だった。


ぞろぞろ歩いていると、翔ちゃんが立ち止まった。


「あ、ここだ」


見ると墓には「千石家之墓」と書かれている。


墓石の横には、たくさんの名前と一緒に、「涼太」「佐穂」と刻まれている。


「うん。間違いないね」


和也も確認してくれた。


皆でお線香とか、菊の花とか用意したものを袋から出した。


相葉ちゃんが水道でお水を汲んできてくれた。


皆で柄杓に水を汲んで、墓石に水を掛けた。


お掃除は必要ないほど綺麗だったので、そのままお参りだけすることにした。


「本家筋の人でも来てお掃除してくれてるのかね?」


「さあ…旦那さんのほうの親戚のことは全然わからない」


今度親に確認しておこう。


「弁護士さんの書類読みなおしておくわ…」


「ごめん…翔ちゃん…」


準備が終わったら、皆で手を合わせた。


正月早々お墓参りなんか来る人も居ないのか、霊園は誰も居なかった。


シンとした空気が俺たちを包んでいた。

/ 779ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp