第19章 天は藍よりも青く
「んー。わかんないよ…」
「坊っちゃん方…今日はもう遅いんで、この地図預からせて貰っていいですか?」
植源さんから声がかかった。
「あ、はい。全然」
そう答えると、植源さんと大角さんはなにやら打ち合わせを始めた。
「じゃあ、俺達は帰ろうか…」
翔ちゃんが立ち上がると、皆、帰り支度を始めた。
「あ、坊っちゃん方。晩飯でもとりましょうか」
「いえ、そんな…」
食っていけ、大角さんちにといろいろと言われたけど、俺達は家ですることがあるからと、遠慮して帰ってきた。
「晩ごはんまでごちそうになるわけにはいかないからね…」
帰りの車で翔ちゃんがニコニコしながら言った。
「それにしてもあの二人、おもしろかったねえ…」
相葉ちゃんもにこにこしてる。
「幼なじみっていいね」
潤が運転しながら朗らかな声を出した。
「俺達だって、幼なじみなんじゃないの?」
和也が発した言葉が、結構ずんときた。
「うん…俺たち、幼なじみだよね…」
翔ちゃんが俺の手をキュッと握った。
反対側から和也もきゅっと手を握ってきた。
俺は両方の手をぎゅっと握り返した。