第19章 天は藍よりも青く
「いいえ。そういうわけじゃござんせんけど…若いもんの邪魔をしたくないんですよ」
「凄い!植源さんかっこいい!」
潤がなんだかいたく感激して、親父さんの手をとってブンブン振っている。
なにがスイッチだったんだ…
暫く、親父さんを中心に色々と話しをした。
座敷はとても快適で、なんかじいちゃんちに来たみたいな錯覚に陥った。
「あ、ねえリーダー。あれ…」
潤が俺のポケットを指差して、やっとあの手紙のことを思い出した。
「あ、親父さん。あのね、ちょっと知恵を借りたいんだけど…」
「なんですかい?」
親父さんは着物の裾から手を出して身を乗り出した。
「これね、蔵から出てきたんだ」
そう言ってばあちゃんの手紙を見せた。
親父さんは二枚目の便箋を見ると、深く考えこんでしまった。
「こりゃあ…どこの地図でしょうねえ…」
「それがわからなくて大将に聞いてみようと思ったんだよ」
和也が、お菓子を頬張りながら言う。
「ほう…こりゃあ、あっしじゃなくてでえくのほうがいいんじゃないですか?」
「でえく?」
「大工ね」
翔ちゃんがサラッと答えた。