第19章 天は藍よりも青く
「俺、この地図見届けたいなあ…」
お茶をすすりながら翔ちゃんが呟く。
「そうだね。この家を残してくれたおばあちゃんの手紙だもんね。皆で見届けたいよね…」
和也が便箋を手に考えこむ。
「明日一日でやればいいっしょ」
相葉ちゃんが事も無げにいう。
「そうは言っても…」
「今から植源さんとこ、行ってみる?」
「えっ?」
「お年賀ですって行けば、別にいいんじゃない?手土産なんか買ってってさ」
「相葉ちゃん…天才」
「だろお?ほら、早く行こ。日暮れちゃう」
急き立てられて準備して、潤の車で浅草に向かった。
植源さんは植木の庭は千葉に持ってるけど、事務所兼ご自宅は浅草だった。
住所をセットして、途中手土産を買って向かった。
俺達の番組、見損なってるけど録画してるからいいや…
植源さんに着いてみたら、期待通りの日本風のとっても素敵な事務所で。
まだ新年の3日だったから事務所は閉まっていたので、自宅の呼び鈴を押した。
ピンポーンと懐かしい呼び鈴の音がしたと思ったら、親父さんが出てきた。
「あれっ!?」
「大将、あけましておめでとうございます」
和也が頭を下げた。
「昨年は大変お世話になったので、お年賀に来ました」
にっこり笑って言うと、親父さんはたいそう焦った。