第19章 天は藍よりも青く
「他にヒントになるようなものないかな…」
また皆でカンバスをひっくり返してみる。
その間も出てくる名画の数々に、皆なんか喜んでいた。
「いるかの絵ないね」
相葉ちゃんが呟く。
「いるか?」
「ほら、ピカンチでハルが偽物買わされたやつ」
「あれは版画だよ…相葉ちゃん」
「あ、そうなの?」
とか言いながら、結構楽しく皆で絵を見た。
「なんにもないね…」
「だな…」
寒くなってきて、皆の手も止まった。
「あのさ、植源さんに一回見てもらったらどうだろう」
「え?」
「親父さんのほうがさ、俺達よりこの家にずーっと来てるんだからさ。わかるかもよ?」
「あ、そうかも!」
和也が声を上げた。
「でた!相葉さんの野生の勘!」
「野生の勘じゃねえよ!ちゃんと考えたわ!」
寒いから皆で足早に母屋に戻った。
台所の小上がりで皆でお茶を飲みながら、今後のことを話し合った。
「じゃあ明日植源さんに連絡してみようね」
「あ、でも明日お墓参り…」
「そうだよ。翔くん5日から仕事だから、明日しかないんだから」
潤がそこでお茶のおかわりをくれた。