第19章 天は藍よりも青く
一緒にゲームをしてる相葉ちゃんもこっちを見た。
「行ってあげなよ。なんか用事みたいだよ?」
「もう…」
翔ちゃんはソファに寄りかかりながら、苦笑いして雑誌をみてる。
潤は翔ちゃんの腿に頭を載せてうたた寝していた。
「なによ?コソコソして…」
「ちょいちょい…」
和也を二階の部屋まで連れて行った。
「あのさ…これ」
「え?手紙?誰から?」
「ばあちゃん」
「え?智のばあちゃん?」
「あ、えっと。この家のばあちゃん」
「ああ…佐穂さんだっけか」
「そう。ばあちゃんが。俺宛に…」
「こんなのどこにあったのよ」
「蔵の絵に挟まってた」
「まじで?」
「一緒に読んで?」
「えっ」
「読めない漢字あったらいけないから…」
「アンタにしちゃ考えたね…」
くすっと笑って和也はベッドに座った。
「じゃ、読もうか」
「うん」
ぴったりくっついて、手紙を広げた。
そこには流麗な文字で、文章が綴られていた。
「えー、なになに。智くんへ…」
和也が声を上げて読みだす。
最初はなんてことない、挨拶だった。