第19章 天は藍よりも青く
台所から母屋に上がると、急いで浄水器から水を汲んだ。
コップに並々と注いで、ごくごくと飲み干した。
「び、びっくりした…」
まさか、ばあちゃんが俺宛にメッセージなんて残してるなんて思わなくて…
でもよく考えたら、この家の相続を俺にって話が来たんだから、俺のことちゃんと知ってるんだよな…
ちら、と茶封筒を見る。
中から便箋を取り出してみるけど、なんだか落ち着かない。
そうだ。部屋行って見よう。
廊下に出て階段を駆け上がると、急いで部屋のドアを閉めた。
ベッドに座って考えこむ。
「難しい漢字あったらどうしよう…」
読めなかったら申し訳ない。
「和也にお願いしよ…」
とぼとぼ階段を降りてリビングに入る。
本当はばあちゃんが俺一人に宛てたものだから、一人で読みたかったけど。
なんかそれも怖くて。
リビングのドアを開けると、顔だけ中に突っ込む。
「和也…」
呼びかけてみたけど、ゲームをやっているようだった。
「んー?なに?どこ行ってたの?」
「いや、ちょっと…」
「なによ?」
「だから、ちょっと…」
「なあに?」
顔だけこちらに向ける。
動く気はないようだ…うう…