第19章 天は藍よりも青く
三が日は本当に寝正月をしてた。
翔ちゃんとか潤がどこからかおせちを手に入れてきて、俺達に振る舞ってくれた。
和也はお餅を手に入れてきた。
相葉ちゃんは中華…。
正月に中華…。
リビングでは和也のゲーム機が大活躍で、皆でゲームしたり。
翔ちゃんは新聞とか雑誌を読み漁ってるし。
俺はずっと釣り雑誌ばかり見てた。
3日目になるとだいぶ飽きてきた。
夕方から俺たちの番組がずうっと入る時間になるけど、それまでが暇でしょうがない。
昼過ぎに台所から庭に出た。
蔵に入ってばあちゃんの絵を眺めることにした。
「あ…こんなとこにフェルメールがある…」
基本的に写実的な画家が好きだけど、フェルメールは別だ。
フェルメールは16世紀のバロック期の画家で、写実的とは言いがたいけど、光と影の画家と言われるだけあって、陰影の使い方が非常に上手いのだ。
木枠を持って手にとって見た。
代表作の真珠の耳飾りの少女が描かれていた。
青の発色が足りない気がしたけど、それでも素人がここまで模写できるのは凄いことだと思った。
隣にワイエスもあった。
「ばあちゃん…節操ないな…」
ワイエスはアメリカン・リアリズムの代表的画家で、2009年になくなっている、ほんの最近まで生きていた画家だ。