第19章 天は藍よりも青く
鉢ひとつひとつに水を遣って、外に目を凝らす。
「外どうする?」
「天気予報見てからにしようよ」
「そうだね」
温室から出ると、肌寒かった。
三人でぎゅうぎゅうに固まって、庭の通路を歩いた。
「蓮、どうなったの?」
「うん。今んとこ枯れずにいるよ?」
池にきて、三人で蓮を眺める。
「花はね、咲くかどうかは植源さんでもわからないって」
「そっかあ…難しいんだね」
和也は池の植物の回りの草を抜いた。
ここは和也が木を選んだ場所だった。
「なんかいい雰囲気になってきたね」
「うん。和、センス良いよ」
「ふふ…」
池の前でもちゃもちゃしてたら、潤と翔ちゃんも庭に出てきた。
手にはコートを持ってる。
「風邪ひくよ?あんまり長くいると…」
心配して来てくれたみたいだった。
「ありがと、ごめん」
受け取ってそれぞれコートを着込んだ。
「庭、なんか立派になったね…」
「そうだね。なんかやっと馴染んできたね、家に」
植源さんのお陰もあるけど、皆で庭の手入れもしてたし、なんか誇らしかった。
「ばあちゃん、ほんといい家残してくれたよなぁ…」