第18章 Groove
和也の腹を拭いてたら、時間は45分経ってた。
「も、無理だね…」
「だな。もう戻ろ?」
それでも名残惜しくて、俺と和也は時間までキスしてた。
「今日…潤のとこ行かないで?」
「ん…今日はおまえんとこ…行っていい?」
「こなきゃ怒る」
「いっぱシような」
「いっぱいはむり」
「…だよな…」
「おじさんほど、体力ないんだから…俺…」
「…だよな…」
「智…」
「ん…?」
「好き…」
和也の言葉は、呪文みたくて。
俺の身体に、染み渡った。
「ん…俺も…かずのこと大好き」
「大事にしてね?俺のこと」
「こんなに大事にしてんのに、まだ足りねえの?」
「足りない」
むふふと笑うと、俺を抱きしめた。
「もっと欲しくなる…」
「いくらでもやるって言ってるだろ…」
俺もぎゅっと抱きしめ返すと、和也はまた、ふふっと笑う。
「俺のおーのさん…」
「ん?なんだよ急に…」
「ううん…俺、幸せだなと思って…」
「俺も…幸せだよ?」
「うん…」
和也が俺の肩口に顔を埋めたところで、一時間のタイマーが鳴った。
「やべ」
「いこっか…」
それでもすっきりした俺達は、手を繋いで元気に楽屋に駆け戻った。