第18章 Groove
「俺もそうだったな…」
和也がくすくす笑う。
「ごめんね…舞台の時、皆に我慢させて…」
「えっ…いや…」
潤は赤面しながら俺の顔を見た。
結局俺は、まだおあづけのままだ。
「でも俺…皆が居てくれて良かったよ…稽古手伝ってくれたりさ…恋人のフォローまでしてもらってさ…」
「ちょ…カズ何いってんの…」
潤が焦りだした。
「だからさ、潤。もっと俺に頼っていいからね?」
「カズ…」
「んふ…なんだったら、今晩この人貸そうか?」
「おい…和也」
「いっ…いいよ…あっ…でも、ツアー始まったら…」
ぷっと和也は噴き出した。
「いいよ…福岡で、ね?」
「まじで?」
「おい、コラ」
「いいよ?」
「待てや」
「まじで?いいの?」
「聞けや」
「いいよ。でも言っとくけど、この人疲れたら、もの凄いサカるからね?」
「いやマジで」
「わかってる…それでもいい!」
「いいのかよ!」
「じゃ、約束ね?」
和也は潤に歩み寄ると、ちゅっとキスをした。
潤はぽーっとした顔で和也を見上げた。
「ん。その顔…いい顔だよ?潤」
「ありがとう…カズ…」
潤はイスに座りながら和也を抱き寄せた。