第5章 グリーンフィンガー
「ニノ…俺…」
その時、ニノのポケットに入ってたスマホが鳴り響いた。
「あ…ごめん…大野さん…」
「…いいよ。出なよ」
「ごめん…でも後で聞かせて?」
「…早く出ろ」
「うん…」
ニノがスマホを耳に当てて、話しだした。
タイミング悪…
その時、相葉ちゃんがスマホ片手に温室に駆け込んできた。
「リーダーっ!ニノっ!…潤がっ」
「え?」
ニノが俺の肩を掴んだ。
「潤が倒れた」
立ちあがったら、スツールが倒れた。
その日は潤以外、皆オフの日で。
グラビアの撮影をしてた現場で、潤は倒れてしまったそうだ。
潤の病室に、全員集まった。
翔ちゃんの顔色が悪い。
そっと傍に行って、背中に手を当てると、泣きそうな顔で俺を見た。
チーフマネからの説明で、原因は今の段階ではわからないから、暫く入院が必要だとのこと。
ご家族が駆けつけたので、俺達は潤の手を握ってから病室を出た。
潤は何もしゃべることができず、弱々しく俺たちに微笑みかけた。
翔ちゃんは病室から出ると、涙を零した。
相葉ちゃんが翔ちゃんを抱き寄せて、身体を支えた。
「翔ちゃんが泣いたら、潤が悲しむよ?」
そう言って翔ちゃんの顔を覗きこんだ。
「ごめん…雅紀…」
翔ちゃんは口に手をあてて、必死で涙をこらえてる。