第17章 芽
目をうるうるさせながら、唇を俺に向かって突き出してきた。
「潤…」
「だって…カズ帰ってこないでしょ…?お願い…ね…?」
「でも…う…」
潤のぽってりした唇が、俺の唇に重なる。
唇の間から舌が出てきて、俺の唇をべろんと舐めていく。
「美味しい…ね…欲しいよ…智…」
「わかったから…待てって…」
待たせてどうなるものでもないんだけど…
和也がまだ仕事中だっていうのに、俺…
その時、テーブルに置いてあるスマホが鳴った。
「潤、待って?ね?」
そのままスマホを手にとった。
ラインが来てた。
嵐のグループラインにメッセージ。
開けてみると、和也からだった。
『解禁!』
『俺のこと、待つ必要なし!』
「ええええ!?」
ぴこーん
最後に絵文字が来た。
ハート満載の投げキスしてる殺先生…
「おおおおーい!和也ー!」
ぴこーん
今度は俺と和也のラインが鳴る。
『しょうがないから、楽しみなさい』
「えええええ!?」
「なに…?さっきから…」
潤が自分のスマホを手にとった。
「あっ…」
嬉しそうな声を上げた。
「リーダー!カズが良いって言ってるよ!」
「ちょ、まっ…あぁっ…」
いきなり握りこまれて、思わず前のめりに身体を折った。