第17章 芽
和也が千秋楽を迎えた日。
この日は、夜、早々に皆家に帰ってきた。
もうすぐツアーがスタートするというのに、潤まで早く帰ってきてた。
「あれ?早くね?」
お互いがお互いの顔をみて、不思議がる。
なんにも用事がないのに、リビングで全員ゴロゴロしてる。
そして。なんだかそわそわしてる。
和也は今日は帰ってこない。
朝方まで打ち上げに参加する予定だからだ。
明日は全員オフの予定だ。
マネージャーに無理にスケジュールを変えさせた。
雑誌を読んだり、テレビをみたりしながら、お互いそわそわする。
夜10時を過ぎた頃、相葉ちゃんが立上がる。
「俺、風呂はいってくる!」
この日は珍しく、誰も風呂に入っていなかった。
「俺も行く」
翔くんがうっそりと立上がる。
「えっ…翔くん…」
潤が翔くんを見上げて、びっくりした声を出した。
「智くん、後頼むわ…俺、もう限界」
「え」
なんだかぎらぎらした目をして、相葉ちゃんと翔くんはリビングを出て行った。
「潤…おいで…」
捨てられた子犬みたいな顔して、潤が胸に飛び込んできた。
「わああああん!俺ももうがまんできないー!」
「わかったから…」