• テキストサイズ

天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第16章 IF…


「今…ガエタンの部屋に、俺達の資金提供者が来てる…」


「え?それって貴族…?」


「いや…ブルジョワだ…」


「なんで俺が呼ばれるの…?」


「その人は…女性なんだ…」


「女…?」


ますますわけがわからなかった。


ロランは俺の顔をみて、悲しげに笑った。


「お前のこと、気に入ったんだって…」


「え…?俺のこと…」


それは、つまり…


俺にその人と…


「だめだよな…こんなこと…」


ロランが額を押さえた。


「これじゃ売春だ…そんなことお前にさせられるわけない…」


「ロラン…」


「ガエタンも困ってるんだ。悪い人じゃないんだけどね…」


「…いいよ、俺」


「えっ…」


「だけどさ、俺、女と寝た事ないんだ」


「リオネル…」


「それでもいいのか?」






女は…


気持ちがいい…





でも、それだけだった。


部屋から出て、廊下を歩いていると、皮膚になんか薄い膜がついているようで気持ち悪かった。


服の上から、何度も皮膚を擦るけど、その膜は取れなかった。


部屋に帰ったら、身体を拭こう。


そう思って厨房に立ち寄って、湯を貰った。


厨房からふと庭を見ると、誰か居た。


「リュカ…」


リュカが抱きしめているのは、あの女中だった。

/ 779ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp