第16章 IF…
俺の顔が幼いから、いい年の大人はみんな油断してる。
俺の口から出る意外な情報に、みんな耳を傾けた。
そうやって来るべき日に向けて、俺達は備えた。
そう。
バスティーユ要塞を陥落させる日。
毎日くたくたになって部屋に帰る。
リュカは医者にかかったけど、よくはならなかった。
その代わり、悪くもならなかった。
これでよかったんだ。
俺たちは、生きているだけで精一杯なんだから…
ある日、戻るとリュカがベッドに居ない。
気にはなったけど、探しに行く気も起きない。
ベッドに横たわって、そのまま寝ようとした。
ふと窓の外を見ると、あの女中といリュカが仲良く喋っていた。
ベッドから起き上がると、言い知れぬ怒りが腹の底から湧き上がった。
どういうつもりなんだ…
なぜそんな女としゃべる。
立ち上がろうとした瞬間、部屋のドアが開いた。
「ロラン…」
「リオネル、ガエタンが呼んでる」
ついていくと、ガエタンのいつもいる部屋ではない所に連れていかれた。
「ロラン…?」
ロランの顔が引き攣ってる。
「どうしたのロラン…」
「だめだ…やっぱりだめだ…」
「どうしたんだよ?」
ロランは壁に寄りかかってしまった。