第15章 サロメ
「ほんっと…好きなんだね…」
「え?」
「智、和のこと…」
「あ…ああ…まあ…」
なんか、照れた。
好きだよ…和也のこと…
でもさ、あいつが役者としてどう成長するかも楽しみで…
「俺は…傍観者だからね」
「え?」
「和也が役者として成長するのは、俺の手じゃどうにもできないからさ…見てるしかないんだ」
「まあね…」
「あいつが自分の手で掴んだ成長じゃなきゃ、意味ないもん」
「だね…」
相葉ちゃんはくしゃっと笑うと、俺に歩み寄ってぎゅっと抱きしめてきた。
「智…好き…」
「雅紀…」
相葉ちゃんの胸に顔を埋めると、相葉ちゃんは俺を抱きしめたまま身体を捩った。
「もう!もう!好きだよ!」
「わ、わかったって!」
散々ぐしゃぐしゃと撫でられて、相葉ちゃんは部屋を出て行った。
「なんなんだ…」
ぐしゃぐしゃになった頭を掻きながら、風呂に向かった。
先客がいたから、台所から出て蔵の前に行った。
お茶とおにぎりは消えてた。
「よし…」
それを確認して、また母屋に戻った。
翔くんと潤が風呂から上がってきた。
「あ、蔵いってきたの?」
潤がピンク色のほっぺを光らせて聞いてくる。