第15章 サロメ
「じゃあ、待ってる?」
相葉ちゃんがお茶を飲みながらこちらを見た。
「俺だけでいいよ。皆、明日あるから寝よ?」
「でも…」
「いいから。ね?」
このままだと、潤まで寝なさそうだったし…
翔ちゃんにコッソリと、潤を寝かせるように頼んで、俺は二階にあがった。
皆大変な時期だから…
休めるときに休んどかないと後が続かない。
特に潤は、これからツアーが終わるまでほとんど休みがない。
俺たちを引っ張って行く立場だし。
部屋で着替えていると、相葉ちゃんが部屋に入ってきた。
「智?」
「んー?」
「和、大丈夫?」
「ん。なんかね、掴めそうだって」
「じゃあ…放っといて大丈夫だね」
「うん。大丈夫だと思う」
入り口に凭れながら、相葉ちゃんが微笑む。
「明日には、一皮剥けた和がみられんのかな?」
「おう。ズルムケだぞ」
「リアル!」
げらげら笑って相葉ちゃんは、俺にチョコを渡した。
「ん?」
「行っておいでよ」
「え?」
「和のとこ…」
「ううん…アイツが助けを求めてきたら行くけど…今は、一人にしとく」
そういうと、相葉ちゃんは笑った。