第15章 サロメ
「俺達も頑張らなきゃね…」
翔ちゃんが起き上がった。
相葉ちゃんも弾みをつけて起き上がった。
「俺もっ…頑張ろっ…」
「智くん、振り教えてよ」
「え…俺でいいの?」
「何いってんの…ダンスであなたに敵う人なんて、嵐に居ないよ」
ふわっと笑って言ってくれた。
「…うん」
照れながら、俺も畳から起き上がった。
そのままお昼を挟んで、夕方まで三人で蔵レッスンをした。
夕方になって、和也が早めに帰ってきた。
蔵から出ると、車庫へ歩いて行く。
「あれ…なにしてんの?」
和也が荷物を持って、母屋の方へ歩いてくる。
「ん…皆で稽古してた」
「そっか…後で俺もやろっと」
和也の荷物を持ってやると、はにかんで笑った。
そんな顔を見てたら、抱きしめたくなって。
ぐっとこらえていたら、和也のほうから抱きついてきた。
「わっ…」
どすんと凄い勢いでぶち当たってきた。
「なっ…どうしたの…」
「んふ…好きよ…智…」
ぎゅうっと俺に抱きついて、動かない。
「ん…好きだよ…和也…」
そっと片手で和也を抱き寄せると、幸せな匂いがした。
いつまでも俺は、その匂いを嗅いでいた。