第15章 サロメ
次の日も和也は稽古で。
俺と翔ちゃんと相葉ちゃんはお休み。
潤は最終的な打ち合わせで、一日家を空けてる。
蔵でリハーサルのおさらいをしたら、畳の上で三人で寝転がった。
「あー…疲れたなあ…」
「んでもさ、ニノに比べたらいいんじゃねえの、俺ら…」
「まあね…和のやつ、めっちゃ悩んでんじゃん…」
「あ、やっぱ分かる?」
「わかるわかる。何年一緒に居ると思ってんの…」
相葉ちゃんが苦笑いしながら汗を拭う。
「あいつ、悩んでると溜め込むからなあ…」
翔ちゃんは天井を見ながら、少し遠い目をする。
…皆、やっぱりお互いのことよく見てる。
「そんなに難しい役なの?ニノの役」
「ああ、なんだっけリーダー」
「愛がわからなくて、知らないうちに愛する人を殺しちゃう役」
「わあ…サロメ的なやつだ」
「サロメ?」
「ニノの部屋に飾ってあんだろ。絵」
「ああ…あの生首持ってるやつ…」
「だから、あの絵飾ってんだ…」
翔ちゃん、ほんとよくおわかりで…
「んでもね、これ乗り越えたら、和也凄いことになるかもね…」
「え?」
「役者として、ね…」