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天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第15章 サロメ


「それでもアイツは、嵐にいることを選ぶと思うよ」


「そうかな…」


「そういう時が来たら、それはわからないけどね」


「そういう時って?」


「役者として、これ以上ないって役が来た時」


「…いつか…そんな時が来るよね」


「来るだろうね、和也なら…」


「だよね…」


「応援、できるかな…そんときは…」


「しなきゃ…だって、あいつの友達、俺達しか居ないんだから…」


「だな」


暫くそうやって潤の肩を抱いていた。


「頭痛、平気?」


「ん。温かいからね。まだ大丈夫だよ」


「無理すんなよ」


「ありがと。リーダーもね」


潤の部屋から出て廊下を歩いて行くと、階段に和也が座ってた。


「…居たの」


「居たよ。悪い?」


立ち上がると、俺に向かって手を差し伸べてきた。


「寝よ?智」


「うん」


微笑みかけてきた顔が、とても綺麗で。


おもわず俺は引き寄せて抱きしめた。


「…危ない…」


「ごめん」


腕を掴むと、ちょっと身体を離して和也を見上げた。


『兄さん…もっと僕を見てよ』


「え?」


『兄さん、どうしてそんな目で僕を見るの?』


和也の顔が引き締まった。
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