第15章 サロメ
深夜、トイレに起きると潤の部屋の灯りがついていた。
そっと部屋の側に行くと、嵐の曲が聞こえてきた。
演出のプランを詰めているんだ。
ノックしてドアを開けると、潤がこちらを振り返った。
「あ、どうしたの?」
「ん…まだ起きてんの?」
「んー…まだ決まりきってないとこ、決めてる」
「大丈夫?こんな時間だよ」
「あ、そろそろ寝る」
「早めに寝ろよ」
「リーダーもね」
ニッコリ笑うと、俺の手を引き寄せた。
「ちょっとだけ…だっこ…」
甘えた声を出す。
そっと肩を包むと、俺の胸に頭を預けてきた。
「ごめんね。カズの稽古、手伝えなくて」
「潤は潤のやることあるんだから…気にすんな」
「俺…やっぱりカズにはもっと凄い役者になってほしい…」
「うん…」
「けど、嵐のニノでも居て欲しい」
「うん…」
「我儘なのかな…アイツにとって、凄い負担のかかることなのに…」
「あいつがそれを望んでいる限り、我儘じゃないと思うよ?」
「あいつは…優しいから…」
潤の頭がぐりっと俺に擦りつけられる。
「優しいからこそ、言えないことたくさんあるんだろうね…」