第15章 サロメ
「酷いもなにも…後半なんて、屋良っちとステップ合戦だよ…MAに敵うわけないのにさあ…」
相葉ちゃんも腰をさすりながらソファで横になってる。
「次、シップ腰に貼って」
翔ちゃんにお願いしてる。
「あらあ…屋良とステップ合戦なんて、智にしかできないでしょ?」
「そんなことねえよ…」
「ばかね…あんた、MAでもおかしくないんだから…」
「あんな鬼みてーな体力ねえよ」
「とか言いながら、アンタ意外と平気そうな顔してるね」
「まあ…」
「じゃあ、稽古付き合ってもらおうかな」
蔵の扉を開けた。
この前から、夜はとても過ごしやすくなってる。
蔵のなかも涼しくて。
エアコンも要らないくらいだった。
「ここなら声張っても大丈夫だね」
台本を渡されて、ページを示される。
和也の役は、セリフがいっぱいで…
「お前、これもう頭に入ったの?」
「うん。一週間あればね」
こともなげにいうけど…
俺には無理だ…
わからない漢字を聞いて、さらっとシーンを読んで。
セリフ合わせしてみる。
「この役、誰が演るの?」
和也が愛してるのに気付かず殺してしまう人。