第15章 サロメ
「ちょっと…MAに代役やらせてるの誰だよ…」
翔ちゃんがぜいぜい息を切らしながら愚痴ってる。
「お蔭で最初から本気ださなきゃいけないじゃん…」
相葉ちゃんまで愚痴ってる。
「えー?なんで?俺、なんか悪いことした?」
屋良っちが潤に甘えるように聞いた。
「大丈夫。俺らがMAに追いついてないだけだから」
潤が真顔で答えるから、噴き出した。
「いいよなあ…智くんはMAみたいなもんじゃんか…」
「屋良っちと俺は、京都で辛い思いしてきたんだぞ」
「知らねえよ!勝手に行ったの、おーちゃんだろ!」
相葉ちゃんが床に寝転がった。
「ばっか…町田に言え…町田に…」
5分だけ休憩して、また振り写し。
やっぱり屋良っちは覚えが早い。
これから通して和也の代役につくジュニアの子に、丁寧に振りを教えてる。
なんだか久しぶりに俺も燃えてきた。
「屋良っち、これできる?」
あれが間違いだった。
家に帰ってきたら筋肉痛寸前。
「智くんの鬼!」
翔ちゃんがお風呂あがり、全身にシップを張ってる。
潤もその横で、シップを貼ってる。
「そんな酷かったの?この人」
和也が苦笑いして、それを見てる。