第15章 サロメ
「んでも、当たってるよ。相葉ちゃんの言うこと…」
「えっ?」
「そっか…俺は、お前がいっつも愛が欲しくて足りないんだって思ってたけど、そもそも容量が違ったんだな…」
「ちょっと、智…」
「お前の愛は、でっかいんだな」
顔を見て微笑むと、和也は耳まで真っ赤になって。
「ばっ…ばかじゃないの!」
和也はめちゃくちゃ照れて、ふきんを俺に投げつけた。
「うおっ…」
避けて床に落ちたふきんを拾い上げると、和也は俯いて顔を上げなかった。
「和也…?」
「重い…?」
「え?なにが?」
「俺のこと、重い?」
「え?」
ぎゅっとTシャツの裾を掴んだ。
「俺…あなたに負担掛けたくない…だから…」
「和也…」
「重いなら、言って?」
「そんなことないよ…」
「俺は、俺のせいであなたを潰したくないんだ…」
「潰れないって」
「俺っ…時々、自分が制御できなくなる。あなたのことになると…」
「だから…」
「あなたのことになると、全然気持ちがいうこと聞かない…」
「和也…」
「こんなこと…初めてなんだ…」
ぎゅううっと裾を引っ張ると、ぽとりと涙が床にこぼれ落ちた。