第15章 サロメ
二人とも、午後から仕事だったからマネージャーが迎えに来た。
和也はロケで、俺は雑誌のインタビュー。
グラビアは別の日に撮るから、今日は横浜FMのTシャツを着ていった。
「あなた…まじでほんと、それやめて…」
車の中で、和也の予備のTシャツに着替えさせられた。
くまさんがプリントしてある、かわいいTシャツ…
「お前…これ、だめだろ…」
「くくっ…よく似あってるよ?」
「こんなのお前だから似合うんだろうが…」
「いや、あなたもよく似合ってるって…」
案の定、インタビューに行ったら、雑誌の人に笑われた。
下を向いて、笑いをこらえてる。
和也…恨む…
「それ、かわいいですね…」
回りのスタッフも笑いながら突っ込んでくる。
「ええ…ニノに貰ったんで…」
「ああ…なるほどね」
みんな納得した。
和也のイメージって…
「じゃ。始めましょうか…」
雑誌の人が、レコーダーのスイッチを入れた。
「今日のテーマは、演技についてなんですが…NGとかありますか?」
「いえ…特別」
「では、よろしくお願いします」