第15章 サロメ
愛そう。
俺、精一杯和也のこと、愛そう。
愛で埋め尽くしてやろ…
また後ろからぎゅっと抱きしめると、和也の笑いが止まった。
「早く…食べたい…」
「ん。もう一個巻くから待っててね?」
「ん」
そっと和也の身体を抱いていたら、とっても幸せな気分になってきた。
じんわりと温かい身体。
昨日感じた冷たさは、今はなかった。
「暑い…」
暑いのにくっついてても、平気だった。
和也は汗をいっぱいかきながら、もう一個を仕上げた。
「さ、食べるよー」
「はーい」
冷蔵庫から、相葉ちゃんが沸かしておいてくれた麦茶を取り出す。
他にも少しだけつまめそうなものを出して、テーブルに並べた。
二人だけだから、ダイニングまで行く必要もない。
台所に置いてあるテーブルで、ごはんを食べた。
「「いっただきま~す!」」
両手でオムライスを持つと、がぶりとかぶりついた。
「あ、うめ」
「ホント?」
「ほんと。うめえよ」
「ふふ‥ありがと」
和也もかぶりつくと、俺をみて笑った。
「かわいい…和也」
「うん。知ってる」
…だろうな。