第15章 サロメ
「違う。愛し過ぎたら死ぬんだよ。愛されなさすぎても死ぬ」
「結局、自分殺すか相手殺すかじゃん…一緒だよ」
「そうかぁ?」
「そうだよ」
「俺だったら、自分を殺すね」
「俺は相手殺して、自分も死ぬ」
「こわ…」
「そうよ?俺、怖いからね」
「…でも好きだよ」
ぎゅっと抱く腕に力を込めた。
「愛してるよ…」
「ん…」
和也もきゅっと抱きついてきた。
「智…愛してる…」
「うん」
薄焼き卵から、湯気が出てた。
和也は身体を外すと、にっこり俺に笑いかけた。
そのまま薄焼き卵にケチャップライスを巻いてる。
「え?そんな巻き方なの?」
「ラップサンド風にしてみた」
「おお…おしゃれ」
「しゃれおつでしょ?」
「おう」
ハンバーグみたいな手を器用に動かす。
くるくると出来上がったオムライスは、美味しそうだった。
「…どこで習ったの?」
「クックパッド先生」
「その先生って、翔ちゃんも習ってるよな?」
「…うん」
「有名な先生なの?」
「ぶふぉっ…」
ラップサンド風のオムライスを持ちながら、めちゃくちゃかわいい顔して笑ってる。
決めた。