• テキストサイズ

天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第15章 サロメ


明け方、目が覚める。


和也は俺に裸で抱きついたまま、眠ってる。


相当、悩んでんだな…今回の役…


しかも舞台だ。


映像みたいにごまかしが効かない。


目の前のお客さんを、小手先で騙すことなんてできない。


和也は器用な役者だと思う。


だけど、たまに器用すぎて仇になってる。


まるで演出家が芝居やってるみたいになるんだもん…


演出家は、本来役者じゃないからね…


役者は常にエモーショナルでないといけない。


和也は頭が良すぎるから、演じながら演出家的目線になってしまうことがあるのだ。


それがそのまま芝居に出る。


ある意味、エモーショナルだけどね…


だけど、それはお客さんに絶対に伝わる。


その瞬間、お客さんは舞台の魔法から覚めてしまうのだ。


”ああ、あそこに居るのは役の人じゃなくて、二宮和也なんだ”


って、気づいてしまうんだ。


すやすや眠る横顔をじっと見つめた。


「頑張れよ…和也…」


そっと髪を撫でていると、また眠りに吸い込まれていった。


あんまり疲れて、夢も見なかった。


腿が筋肉痛になった…


腕も…なんか痛い…
/ 779ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp