第15章 サロメ
「俺のどこが愛に飢えてるんだよ…」
そう言って、枕に顔を埋めてしまった。
「お前は…足りてないのかもな…」
愛してると思ってる。
大好きだと思ってる。
でも本当は、和也には足りていないのかもしれない。
「じゃあ……もっと愛してよ」
「おう」
そっと和也の髪に触れる。
「お前が望むなら、殺されてやるよ」
「バーカ…あんたの死体なんかいらないよ」
「勿体無い。煮込んだらいい出汁出るかもしれんぞ」
ぶふっとまた、和也が噴き出した。
「いらないっ…智スープなんか」
そういってゲラゲラ笑い出した。
笑ってる和也の頬を撫でた。
柔らかくて、もちもちしてる。
「俺は、お前を全部食べてやるよ」
ゆっくりと俺を見上げる顔に、唇を寄せた。
息がかかるほど顔が近づくと、和也は目を閉じた。
その薄い唇にキスすると、そのままベッドの上でもつれあった。
「和也…」
「智、シて?欲しい…」
「ん…」
なんだか訳がわからなかったけど、身体が凄く熱かった。
「ごめん…」
俺の身体に腕を回すと、小さな声で謝った。
「気にすんな…」