第5章 グリーンフィンガー
いつの間にか、ニノが俺に抱きついていた。
そのまま抱き合っていた。
なんでこんなことをニノがするのか。
わからない。
けど、俺はとても幸せで。
この腕の中にいる温かさをどこにもやりたくなくて。
「ニノ…」
ニノが顔を上げて、俺を見た。
瞳が潤んでて。
頬が赤くて。
そんな顔を見てたら、たまらなく
こみあげてきた。
「す…」
「あーっ!ふたりとも、こんなとこにいたの!?」
相葉ちゃんのだみ声が、俺の声を遮った。
「もーっ!もーっ!探したんだからっ!」
相葉ちゃんは晩飯のとき、飲み過ぎてさっきまでリビングで潰れていたんだ…
そのまま放置したのがいけなかった…
抱きあう俺達に構わず、だだっと走り寄ってきたかと思うと、俺達二人まるごと抱きしめた。
「俺も抱きしめちゃうもんね~」
息が酒臭い…
「やめろよー…」
もう、力が抜けた。
せっかく勇気出して言おうと思ったのに。
「んもー!俺も仲間に入れてよっ!」
そういうと、ニノと俺、交互にキスした。
「ばっ!!ばかっ!!」
せっかくニノとちゅーしたのにっ!
相葉ちゃんに上書きされたっ