第14章 雅やかな旋律
あれ…
ふたりっきりだ…
あの露天風呂以来…
「ん…雅紀…」
返事もしないで覆いかぶさって、首筋を強く吸われた。
「あっ…だめっ…」
乱暴に俺の手を掴むと、ベッドに押し付けた。
「智…だめだ…」
「え?」
「俺、抑えらんないよ…」
切なげに言うと、顔を伏せた。
「雅紀…」
「好きだよ…智…」
ぽとりと俺の胸に涙が落ちた。
「好きだ…」
「うん…」
そっと両手で頬を包み込んだ。
「わかってる…雅紀…」
「智ぃ…」
「いいよ…?抱いて…」
「え?」
そっと顔を引き寄せた。
胸に抱きしめると、相葉ちゃんの熱が伝わってきた。
「好きだよ…相葉ちゃん…」
「リーダー…」
「だから…俺のこと、好きにしてもいいよ…?」
明日、ライブだけど…
今のほうが大事に感じた。
雅紀を…
包んであげるほうが、大事だと思った。
「うぇっ…さとしぃっ…」
ぼたぼた涙をこぼしながら、相葉ちゃんが抱きついてきた。
「俺のものにならなくてもいいから…そばに居てもいい‥?」
「…何言ってんだよ…当たり前だろ?」
「うぇぇん…さぁとぉしぃ~…」
子供みたいに泣きじゃくる相葉ちゃんは、とっても可愛かった。