第14章 雅やかな旋律
その日はスタジアムには戻らないで、まっすぐ家に帰った。
家に入ったら、暑くて。
リビングの窓を開け放って、エアコンを付けたら、そのままソファで横になった。
畳んであったタオルケットをひっかけると、クッションを枕に目を閉じた。
どのくらいそうしていただろう。
いつの間にか、頭に濡れタオルが乗っかっていた。
「あ…」
台所から光が漏れてる。
立ちあがって歩いて行くと、相葉ちゃんが氷にアイスピックを刺している。
「なにしてんの…?」
「ああ、起きた!?大丈夫!?」
駆け寄ってきて抱きしめられる。
「心配したんだからね…」
「ごめん…もう、大丈夫だよ?」
「良かった…智、滅多にこんなことないから、びっくりした…」
「ん…俺もびっくりした」
こつんと、相葉ちゃんが額をノックした。
「今日はも寝ちゃいな」
「ん…」
ふんわりと抱きしめられると、気持よかった。
「智…?歩けないの?」
「んー…大丈夫…」
そのまま相葉ちゃんに凭れて、甘えていたかった。
「…皆は?」
「まだスタジアム居残りだよ。俺、もう終わったから」
「そっか…俺、明日だな…」