第13章 潤んだ瞳
「俺は一体どんなやつなんだよ!潤の中で!」
「嘘だよ…」
くすくす笑うと、凭れるように俺を抱きしめた。
少し、身体が汗ばんでる。
「大事に…して?ニノのこと…」
「え…?」
「俺は、二人を見てるのが好きだよ」
「潤…」
「二人が幸せそうなら、俺も幸せだよ…最近、そう思うようになった」
身体を離して、俺の顔を覗きこむ。
微笑むと、子供みたいな顔になる。
「もちろん、抱かれるのも幸せだけどね?」
ちゅっと俺にキスすると、階段を登り始めた。
「多分さ、雅紀も翔くんもそうなんじゃないかな…」
「そう…」
「最初はニノに抜け駆けされたって思ったけどさ…でも、二人みてたらだんだんどうでも良くなったしね」
和也の部屋の前まで来ると、ノーノックでいきなりドアを開けた。
「わあっ!」
和也が飛び上がって驚いて、ハーゲンダッツを手から落とした。
潤がすぐにそれを取り、いたずらっこみたいに笑った。
「これ、もーらい」
「えっ…なんでだよ!返せよ!」
「仲裁料です。じゃあね、リーダー」
手を振りながら、潤は出て行った。