第13章 潤んだ瞳
「なにしたんだよ!」
「なんで俺が怒らせた前提なんだよ!?」
「だって、大抵リーダーが怒らせるじゃん!」
「だーっ!潤うるさいっ!」
「謝ろ?ね?」
「なんでだよ!」
「傷は浅いうちがいいんだから」
「やだよ!俺、悪くねえもん!」
「はいはい、悪い悪い」
潤は俺の腕を掴んで歩き出した。
「おっ…おいっ…」
「素直になりなよ…」
リビングを出て、階段までの廊下をドタドタ歩く。
「早く謝らないと…ニノがね」
「え?」
「ニノの傷が深くなるから…」
潤がぴたっと歩きを止めた。
「ニノの気持ちわかるんだ…」
「潤…?」
「リーダーを好きすぎて…欲しすぎて…だから…」
そっと潤が目を上げた。
「だから、怒るんだよ?」
「わ、わかってるよ…」
「ホント?分かってるの?」
「そんなことはわかってるんだよ…俺だって、アイツの彼氏だよ?」
「え…彼氏…あ、そうか…彼氏か…」
「でもさ…俺たち、身体は別々だし、脳みそだって別々なんだよ…どう考えたって無理なこと、いっぱいあるんだぜ…?」
「リーダー…って…そんなことも考えるんだね…」
「なんだよ…じゃあ俺は普段、何考えてるんだよ」
「釣りのこととか?えっちのこととか?」