第13章 潤んだ瞳
「智…あんたねぇ…」
「ごっ…ごめんっ!」
慌てて抱き起こして、額を擦る。
「もー知らない。今日は一人で寝なさいよ」
「そんな怒るなよ…」
「なんなのよ。ふっとばしといて」
「だからわざとじゃねえだろ?」
「わざとじゃないから、腹たつんでしょ…」
「え?」
「無意識で俺を大事に思ってないってことじゃん」
「ちーがうって!」
「違わない!」
「和也っ」
和也は立ち上がると、台所へ駆けていった。
戻ってくると、手にハーゲンダッツのマカダミアを持っている。
「くんなよ!俺の部屋!」
言い捨てると、リビングを飛び出していった。
「あ~あ…どうすんの?リーダー」
雅紀がまだ、翔ちゃんにしがみついたまま、聞いてくる。
「どうって…」
「ちゃんとフォローしといてよ?とばっちり来るのこっちなんだから…智くん…」
「翔ちゃんまで…」
「どしたの?」
潤が髪を拭きながらリビングにはいってくる。
暑いのか、上半身裸だ。
「なんでもない…」
くたっとソファに脱力した。
「リーダーが、ニノ怒らせた」
「えっ…」
潤が驚いて俺の顔を見る。