第13章 潤んだ瞳
潤を先に風呂に入らせて、次に俺が入って。
あがってきたら台所に電気がついてた。
「潤?なにやってんの?」
「あ、別に…」
コップをもって、立ってる。
手になにか持ってる。
何か隠そうとしている雰囲気を感じて、無理やり手を開かせた。
薬のシートを握ってる。
「潤…また頭痛するの?」
「ううん…」
そう言って目をそらす。
わかりやすいんだよ…お前は…
「ちゃんと言えよ」
「だから…違うって…」
「じゃあこれ何だよ。頭痛の薬じゃないの?」
そう言ったら黙りこんで。
夏には出にくいって聞いてたのに…
「酸素は?」
「部屋にある…」
「ほら、いくぞ」
コップを置いて、潤の手を引いて部屋に行った。
無理やり寝かせて酸素吸入の機械を引っ張りだした。
カップをつけさせて、酸素を流す。
「俺、着替えてくるから。大人しくしてんだぞ」
こくりと頷く潤を置いて、部屋にあがった。
髪を軽く乾かして、スエットとTシャツを着こむ。
水のボトルを手にとって、また下に降りた。
潤の部屋に入ると、ベッド際に座る。