第13章 潤んだ瞳
「ごちそうさまでした」
「はい。お粗末さま」
潤は空き容器を片付けてくれる。
にこにこしながら、また緑茶を淹れてくれた。
「どうぞ」
「あ、おそれいります…」
ずずっと啜って、潤の顔をみた。
「ん?何かついてる?」
「ううん」
外で、なにか虫が鳴いてる。
「フェスの準備…大変だね…」
「あ、リーダーの振り付けめっちゃ評判いいよ」
「え?まじで」
「うん。ほんと、いつもありがとうね」
「いや…だって。当然のことだし…」
「うん…そういう風に思ってくれるのが嬉しい」
前は潤に任せきりだった。
振り付けだって1曲くらいしかしなかったし。
でも毎年、俺が任される曲が増えてくる。
どんな振り付けしてやろうかって、俺もどんどん楽しみになってる。
まだ潤の演出とか考えながらが上手くできないけど、そこは潤のほうからちゃんと言ってくれるし。
一緒に作ってるって感じがしてる。
「…じゃ、俺行くね」
「あ…今日は、俺も寝ようかな」
「ん。じゃ、一緒に行こ?」
俺の片付けが終わるまで、潤は待っててくれて。
そのまま一緒に母屋に戻った。