第13章 潤んだ瞳
ある日の夜中、一人でアトリエにいると、ノックの音。
「開いてるよ」
そう言うと、潤がひょっこり顔をだした。
「お疲れ~」
そう言いながら、寿司折りを俺に差し出した。
「どうしたのこれ…」
「今日、フェスのスタッフさん達と行ってきたの。おみやげ」
今日は和也も相葉ちゃんも泊まりのロケでいない。
翔ちゃんもまだあっちにいったままだった。
「そっか…ありがとう」
「どうせ夕飯、ろくなもの食べてないでしょ?」
「えっ?」
「わかるんだよ?俺には」
そう言ってにこにこしてる。
「食べてません…」
「やっぱりね」
潤は立ち上がると、電気ポットを手にとった。
寿司折りに、緑茶のティーバッグがついてて、カップにお湯を注いで作ってくれた。
緑茶のいい香りがした。
器用に折の蓋に醤油を差して、俺の前に置く。
「どうぞ。召し上がれ」
「頂きます」
好物のマグロから食べたら、潤に笑われた。
「なんだよ…」
「わかりやすっ…リーダー」
「悪かったな…」
くすくす笑う潤を放っといて、寿司を無心に頬張った。
「…おいしい?」
「うん。凄く」