第12章 空翔ける
暫くは大人しく俺の腕にいたけど…
やっぱり翔ちゃんはもぞもぞし始めた。
「さ…智くん…」
「にゃ…?」
「その…寝るなら、俺…」
「だめ」
「なんで…」
「翔ちゃんをだっこして寝たいの」
「智くん…」
「翔ちゃんも寝な?」
「でも…」
「寝れない?」
「…うん…」
俺はすぐにでも寝れるんだけどな…
翔ちゃんはそんなタイプじゃないもんな…
「じゃあ…このまんま、しりとりしようか」
「へ?」
「なんか…してないと、俺がねちゃう」
「だから…寝るなら一人で…」
「だめ。翔ちゃんをだっこしていたいの…」
「だったら…」
「え?なに?」
「じゃあ、えっちでもする?」
「ばっ…ばか…」
いや…俺も、それしかないなって思ってたけどさ…
そんなストレートに言わなくても…
翔ちゃんはさっきとは違って、なんだか妖しげに微笑んでる。
…ほんと、同一人物…?
「智くん…」
少しずつ、翔くんの唇が近づいてくる。
「翔ちゃん…」
「ん…?」
「和也がね…翔ちゃんのこと、抱いてイイよって言ってた」
「ぶっ…も、もう…」
今度は真っ赤になって俯いた。
「ニノは智くんの奥さんなの?」
「ま、そんなもんだ」