• テキストサイズ

天は藍よりも青く【気象系BL小説】

第12章 空翔ける


よろけてぽすんと翔ちゃんの胸に飛び込んだ。


「あ…ごめん、智くん」


ぱっと手を離すと、俺を起き上がらせた。


「なに…?翔ちゃん…?」


「えっ…なんでもな…」


「なんか、変だよ…?」


「へ、変じゃないもん!」


パタパタと身体を叩く。


「言ってみ?どうしたの?」


「べ…べつ…」


「別にって感じじゃないけど…」


「う…」


うろたえている翔ちゃんが、めちゃくちゃかわいかった。


「ちょっと…思い出して…」


「え…?」


「き、昨日、智くん、俺のベッドで寝たでしょ?」


「あ、ああ…」


「朝方、目が覚めたら、俺のこと腕枕しててくれて…」


ぎゅうっと翔ちゃんが目を閉じた。


「う…嬉しかったのに…絵まで描いてくれて…俺…」


ぽろっと涙を零した。


「えええっ!?翔ちゃん!?」


「嬉しいんだ…」


ぽろぽろ…


後から後から涙が溢れてきて。


止まらないから、俺はずっとタオルを持って翔ちゃんの隣に座ってた。


途中でぎゅうっと翔ちゃんが抱きついてきて、離れなくなった。


「翔ちゃん…」


「ごめん…智くん…」


「もー…謝るなよ…」


ポンポン頭を撫でると、昨日の夜のこと、思い出した。


翔ちゃん…しんどいのかな…
/ 779ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp