第12章 空翔ける

「翔ちゃんがさ…そうでなきゃいけないっていうの、誰が決めたの？」


ふわふわする…


「え…？」


「誰も決めてないんじゃないかな…」


「でも…」


「俺は…俺だけじゃないよ…嵐の皆も、翔ちゃんのファンの子も…皆、翔ちゃんが笑っていてくれるのが一番なんだよ？」


「智くん…」


「そんなに自分を檻にいれないでよ…」


そっと翔ちゃんの頭を撫でた。


「もっと、翔ちゃんは翔ちゃんらしくいられるはずだよ…」


「…うん…」


小さく頷くと、ぎゅうっと翔ちゃんは抱きついてきた。


「あまえっこ…」


「うるさい…智…」


「あ、呼び捨てにした」


「いいでしょ…二人だけなんだから」


くすくす笑いがこみ上げた。


「笑うなよ…」


「いいでしょ…ふたりきりなんだから…」


「ちぇ…」


ふわふわ翔ちゃんの髪を撫でているのがキモチイイ。


「翔ちゃんが、我慢することなんにもないんだから…」


「智くんは、なにも我慢してないもんね？」


「してるよ？だいぶ…」


「嘘つけ…」


「今だって、我慢してる」


「なにを？」


「翔ちゃんにキスしたいなぁとか…」


「へ？」