第12章 空翔ける
「で、嫉妬みたいになっちゃったの…?」
「うん…」
最初の一気飲みが効いて、だいぶ頭がクラクラする。
「だめだよな…俺。抑えが効かなくてさ…30過ぎてるのに…」
「いや、翔ちゃんがそんなこと言ったら、俺なんてどんだけダメ人間なんだよ…」
「智くんはいいんだよ。そういうキャラなんだから…」
なんか、それバカにしてね?
「俺はさ、自らもそういうんじゃない自分でいようって課してるし、嵐ではそういうポジションにいないといけないと思ってる」
「…なんで?」
「なんでって…」
「別に…いいんじゃないの…?」
「だって…だれが仕切るんだよ…」
翔ちゃんが俺の膝の上に崩れ落ちてくる。
翔ちゃんは、さっきの出来事で酷く落ち込んでいた。
潤を無理やりああいう風にして、皆の前で…
潤が泣いてる姿をみたら、抑えがきかなくなったんだって。
「別に…翔ちゃんがしなくても、誰かするでしょ?」
「智くんがしてくれるの?」
「いや、俺は無理」
翔ちゃんががくーっとなった。
「だから…俺がやんなきゃ…」
「でも。和也がいるよ?潤だって…俺ができなくったって、相葉ちゃんができるよ?」
「智くん…」