第11章 夢ゆら
下におりていくと、リビングに灯りが点いてた。
そっと覗き込むと、翔ちゃんが一人でお酒を飲んでた。
「後で、声掛けよ?」
そう言って和也と二人でお風呂に入った。
お互い、後ろを洗いながらなんだか恥ずかしい思いをした。
どろりと和也が出て行くのを、なんだか淋しい気持ちで見た。
「なんて顔してんのよ…」
「だって…なんか淋しい…」
「女か…」
「女の気持ちわかった…」
「え?」
「和也からもらったもの、身体から出したくない…」
「ばっ…なにやらしいこと言ってんのよ…」
「別に妊娠するわけじゃないけどさ…全部…欲しいな…お前のもの…」
「あんた…究極のおばかね…」
「ばかでいいもん…」
「最近、開き直るし…」
くすくす笑って和也が俺を抱き寄せた。
「じゃあ、今度は上のお口でのませてあげる」
「うん」
「…あんた…」
「うん?」
「やらしい」
「ええええ!?」
洗い終わって、浴室を出た。
タオルで拭きながら、俺達は何度もキスをした。
キスしながら、バスローブを着て。
ほかほかのままリビングに向かった。