第11章 夢ゆら
んにゃ…柔らかい…きもちいい…
にゃ…?
「あ…?」
気がついたら、和也の腕に抱かれて眠ってた。
「起きた…?智…」
「あ…うん…俺…」
「初めてだね。気絶しちゃったの」
「あー…うん…そっか…ごめん…」
「いいよ…気持よかったんでしょ…?」
「うん…」
「あなた、あれだったのね…」
クスクス和也が笑う。
「え…?何?」
「どM」
「ちっ…ちがっ…」
「だって…俺が乱暴にしたら、めっちゃ感じてたよ?あなた」
「ちっ…ちっ…違うからっ!」
「一つ学習したわ…智、どM…」
「やめろおおお!」
「さ、お風呂いってこ?」
和也が手を差し出した。
グローブみたいな可愛い手…
きゅっと握った。
ほんと…いつまで…
いつまでこうしていられるんだろう…
「…智…?」
「和也…俺の傍、離れないでね…?」
「当たり前でしょ…」
ぎゅっと和也が俺を抱きしめた。
「世界中があなたを捨てたって、俺は捨てないよ」
くすっと笑った。
「なあにクサいこと言ってんだろ…俺」
くすくす笑いながら、俺の顔を見た。
「さ、もう泣かないの」
いつの間にか出ていた涙を拭われた。