第11章 夢ゆら
「いつまで、こうしていられるんだろう…」
翔ちゃんの声は、その場をしんとさせるに充分な響きで。
「いつまで俺たち…」
その後はもう言葉にならなくて。
和也が翔ちゃんを抱きしめると、堰が切れたように泣きだした。
呆然とそれを見ていた。
翔ちゃんが、子供みたいに泣いて。
和也がおかあさんみたいに抱いて慰めて。
「大丈夫…翔さん、大丈夫…」
背中をぽんぽんと叩きながら、ずっと呟くのをただ見ていた。
翔ちゃんが落ち着いたら、相葉ちゃんも泣き止んで。
「ごめん…雅紀…」
泣きはらした顔で翔ちゃんが謝ると、相葉ちゃんはまた泣いて。
「翔ちゃあん…」
ぎゅっと二人は抱き合った。
潤の手首を解いてやると、すっとんで行って二人に抱きついた。
「ごめん…二人とも、ごめんね…」
また潤も泣きだした。
「智、いこっか…?」
抱き合ってる3人を残して、俺達は部屋を出た。
和也が台所に入って、飯の準備を始めたから俺も手伝った。
ご飯ができて、3人を呼びに行くとすやすやと仲良く頭を寄せるようにして、眠っていた。
そっとドアを閉めて、和也と俺は遅い夕食を終えた。